当館のお料理内容は、おまかせになります。基本は、5品~7品の料理を1品づつお運びいたします。その日に入手した材料を最良に活かしたく、あえて献立を固定せず、お料理内容をお任せいただいておりますことが、当館の特徴です。
重ねて当館を御利用のお客様には献立や趣向が重複せぬよう、仕立て方を変えています。もちろん、お客様のご要望(慶事、仏事の宴など)にはお応えしますので、御予約の際、ご遠慮なくお伝えください。宮崎の郷土料理やお好みの食材にも対応いたします。
お客様にお出ししたお料理の一部を記載いたしました。
お軸、花入れ、香炉、灯りに至るまで日本座敷では、いろんな道具を使いますが、それらは自然の風物、年中行事を題材にとった設えが多く、季節に沿って入れ替えるものも少なくありません。
西洋の油絵であれば、一年中同じ名画を飾ることもありますが、座敷では季節にあったお軸を入れ替えるのが一つの楽しみです。
座敷の主役はお客様で、常々、その他の道具はあまり目立たぬようにしております。生来の浅学故に誤り多いことを恐れますが、ほんの少し、燈りのもとで照らしてやりたいと思います。
決して広くはありませんが、当館のお部屋は、全室庭に面しています。お食事をしながら、自然を楽しめるよう庭を配しています。大自然の中に住んでいれば、あえて求めることもないのでしょうが、街が都市化するほど、庭の自然を愛おしく感じます。
私たちが持つ文化は、日常の中にこそあり、人から人へ伝えてゆく言葉少ないもの。あえて言葉にするものではないとさえ申せましょう。
しかしながら、次の世代に伝える努力を惜しむべきではないと思い始めたのも、滅ぼすには惜しい日本の文化を少し知ったからかもしれません。これはお茶室から見た小さな暦です。
暑気払いとして人気の鰻ですが、御存じのようにシラスウナギの漁獲量自体が減り、絶滅危惧種にも指定されています。通常、天然鰻を口にする機会はないのではと存じますが、当店では9月いっぱい天然鰻をお出ししています。
宮崎市を流れる大淀川上流で獲れたもので、知り合いの漁師さんにお願いして獲ってもらっているため、市場にもほとんど出ない貴重品です。外見上の見分け方は、通常、養殖鰻はお腹が青っぽいのですが、大淀川上流の天然鰻は黄金色をしています。サイズも養殖物の一回り以上、胴回りの太さがあり、関東で人気の大鰻もたまに獲れています。個体差はありますが、脂も十分乗っており、焼く途中、鰻の脂で燻されることも‥‥。コースの途中、常の通りの蒲焼、または白焼きにして、焼物や飯蒸しなどの一品としてお出ししています。
当店では、戦前から川魚料理をお出ししていますが、やはり漁獲量は減っており、月に2~3度ほどしか入手できません。ご希望の方は、御予約の際、お問い合わせくださいませ。
目は飛び出し、顔はデコボコ…。そんな愛嬌あるキャラクターからは想像しにくい美味しさです。背中のとげには毒があって、活かしのオコゼをさばくには十分な注意が必要です。オコゼは生食が人気で、当店ではへぎ造りや握りなどで提供しています。クセのない、上品な白身なので、柑橘醤油や塩などの調味料との相性がいいようです。肝、胃袋、皮もおいしく、5月から夏にかけての産卵期は真子も持ちます。潮仕立てのお椀もおすすめです。
毎年、桜の時期になると、宮崎市青島のウニ(ムラサキウニ)が解禁となります。今年は、ウニのエサとなる海藻の生育が良いため(あまさん談)、ウニの身質が充実しています(平成25年度)。資源確保のため、解禁時期であっても禁漁期間がありますし、あまさんはフィン(足ヒレ)を使ったらいけないなど漁協による取り決めもあるそうです。当店では、素潜りでその日に採った殻ウニを、あまさん自らが宅配してくれます。ミョウバンの苦味もなく、ウニ本来の優しい甘味が感じられます。漁期は6月いっぱい。
毎年恒例で7月に天神祭が行われます。当店前まで神輿(みこし)がやってきました。この日は、ちょうど御結納の席をお受けしており、お食事の途中、縁起を担ぎ、御客様に神輿潜りをしていただきました。
打ち水は、季節によって水の撒き方が違います。夏の暑い盛りには、涼しさを感じるよう何度も打ち水をすることが肝要ですし、逆に冬は寒さを感じない程度、最小限の打ち水でいいとされます。 Details »
宮崎の梅の産地、都農の青梅と鱧の料理です。針打ちして酸味を抜き、追い鰹して炊き上げた青梅と、皮目だけあぶった生の鱧を一皿に。オレンジ色の餡は、赤紫蘇を加えずに塩漬けした梅干しを裏ごし・調味した梅肉餡です。梅本来の香りが爽やかです。